NGO LOOBの活動をフィリピン現地スタッフがお届けします!
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学校給食とオーガニック菜園を通じた食育プロジェクト
今日は長文になりますが、LOOBが今年4月にスタートした「学校給食とオーガニック菜園を通じた食育プロジェクト」について、中間報告をさせていただきます。

このプロジェクトは、味の素グループにより助成頂いているものです。
小学校での栄養不良児童を対象としたもので、実際の無料給食の配給のほかに、児童およびその教師&保護者への食育(啓蒙)活動を通して、地域全体の食への意識を高めていくことを目的としています。

「給食」、「オーガニック菜園」、「食堂」の3本立てなので、それにそって説明します。

■給食■ 
小学校にて200人前後の栄養不良児童を対象に、月~金の11時半から12時半までの昼休みに給食を実施しています。LOOBハウスで給食スタッフ4~5名が早朝から買出しに行き、11時までにはあっつあつの食事とスタッフ&ボランティアを詰めたバンが、子ども達の待つ小学校に向買います。
メニューは保健省から出されている献立で、1カ月周期で使っています。
フィリピンの家庭の食卓は単品で素材の数が少ないのがひとつの特徴ですが、この給食献立は、おかず一品でもあってもバランスのとれた栄養が取れるように工夫してあります。
例えば、揚げ物の衣の部分には子ども達が嫌いな野菜のみじん切りが隠されていたり、スープ系にはお米のとぎ汁を使ったり。ひと工夫で栄養満点です。

【ある日の給食】
・白身魚のフライ(衣に人参+玉ねぎ入り)
・タケノコ+オクラ+モロヘーヤのココナツミルク煮
・パイナップル
・白米。
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子ども達は授業が終わったら、給食のクラスに集まってきて手洗いをします。
給食は5つの教室で行われ、LOOBのスタッフ&ボランティアのほか、先生や保護者も持ち回りで配膳は手伝ってくれています。
配給が終わったら、LOOBのボランティアさん達の活躍どころ。
子ども達に「栄養の基礎レクチャー」を行うほか、「手洗い」、「食べ物を良くかむこと」、「食後の歯磨き」の大切さといった保健関連にもトピックを広げ、教えています。子ども達からしたら「早く食べさせろ~」という感じでしょうが、1日数分のレクチャーでも子ども達の心に大切なことが沈澱していけばいいなと願っています。

食べ終わったら自分で食器を下げますが、そこにはLOOBスタッフ&ボランティアが待っていて、野菜が残してあったら食べるまで「説得」します。最近は残してはいけないことがわかり、皆がんばって苦手な野菜に挑戦しているようです。

LOOBでは、給食と並行して、PTAおよび児童を対象に栄養セミナーを実施しています。
これは具体的に「参加型のお勉強会」という感じで、フィリピンらしく大人のセミナーでもゲームを取り入れて盛り上がっていました。

■オーガニック菜園■
教育省令により各学校に菜園が義務付けられているものの、同校では昨年まで空地も荒れ放題でした。
学校との話し合いで、この菜園を復活させ、子ども達と一緒に土を耕し、収穫することで、土と野菜と人間のつながりを学んでもらうというものです。

本事業により、7月からモリンガ(マルンガイ)とさつまいもの栽培をスタート。
農業省とともに、土壌調査を終了し、11月から品種を増やす予定です。
また、この菜園には、近くのごみ投棄場で開発された生ごみ堆肥を活用し、オーガニック菜園で子ども達が収穫した野菜を食堂および学校給食用に販売できるシステムを導入していく予定です。

荒地だったところも深い緑の菜園となり、子ども達も収穫を楽しみにしているようです。
(学校だけでなく、ラーニングセンターの庭でもガーデンを作っています↓)
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■食堂■
このプロジェクトの中の食堂について説明するために、まず全体像を。。

フィリピンの小学校には給食がない。では子ども達はどこでお昼を食べるのでしょう?
答えは複数あります。

①家にいったん帰って、家で昼食を食べる
②家の人がお弁当を持ってきて子どもと一緒に食べる
③親からお昼代をもらっている子は、食堂や屋台で適当なもの買って食べる
④上のいずれにも該当しない子は、食べないですごす。

①について
交通費がかかってもわざわざ家に戻る子ども結構います。

②について
お昼の間、学校は解放されているので、たくさんの保護者が校内に入ってきて、ピクニックさながらに外でお弁当を広げています。私はおかず内容に興味があるので、通りがかりのふりをしてよくお弁当の中身をのぞいてみるのですが、一番多いのは「白ごはんと肉OR魚」です。(フライだったり煮込みだったりいろいろですが)

(余談ですが、保護者でなく、家のお手伝いさんが来ている場合も多く、経済的に苦しいから単品おかずなのではなく、あくまでも「それが一番子どもが喜ぶお昼ごはんだから」という感じなのでしょう。
そういえば、給食担当のC先生の中学年の息子さんも同じ学校に通っていて、給食と同じ教室で持参弁当を食べているのですが、彼のおかずはいつも「ご飯+ミートローフ」。それも本当毎日なんですよ。給食の意味を理解しているはずのC先生であっても、やっぱり子どもには栄養以前に好きなものを食べさせてしまう。この食に対する偏向を解いていくには、相当長い時間が必要だなぁ、といつもその息子さんを見るたびに思うのでした。)

③親から与えられるお昼代はもちろん、それぞれ違いますが、だいたい5ペソから15ペソくらいです。
学校の中の食堂にはサンドウィッチやスパゲティなどが売っていますが、見ていると子ども達がよく食べているものは、市販のスナック菓子のようです。

「適切な食べ物を選択して食べる」簡単なことのようでなかなか難しいのです。
LOOBは、従来の食堂メニューを見直して、「子ども達がもっと食べたくなるような栄養価の高いメニュー」を提言していきます。これは、科学技術省傘下の食品栄養研究所(FNRI)が全国の各学校に義務付けていくプロジェクトのひとつであり、LOOBがスターターとなる初めての実施となるそうです。

さらに、この事業が終了した後も給食を継続できるよう、食堂の利益の25%をプールして、3年目以降の給食運営に貯蓄するというPTAのイニシアティブも生まれています。
うまくいけば本事業が「給食および包括的な食育」のモデルケースとして他地域でも普及するかもしれません。
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さて、この事業では中間目標を2つ備えていました。
一つは「栄養不良児童の栄養改善」、もう一つは「栄養価の高い食物の選択」です。

給食に参加する子は、MBI値が足りない子、および貧困家庭の子ども達です。
6月末時点で、給食に参加する子ども達の「体重不足(Malnourished)」率は94%だったのですが、9月末に検査をし直した時は、なんと52%に減少されました。
つまり約半分の子どもの身体状況が、正常値となったことを意味します。
半年の給食で、これほど改善するとは、スタッフも予想していませんでした。

「1日1回の給食でこんなに改善されるのだろうか?」とお思いの方もいると思いますが、「お昼ごはんの影響で夜も食欲が旺盛になった」という声は母親たちからよく聞かれました。

実際、家庭レベルでの食生活でどのような反響があったかを、アンケート調査したところ、保護者からは家庭において下記のような給食の影響を伺うことができました。

●正しいスプーン&フォークの使い方ができるようになった。
●家でも食事に集中して食べるようになった。
●家の食事を残さず食べることができるようになった。
●いろいろな種類の食品(とくに野菜)を食べるようになった。
●食品ごとの栄養素について意識するようになった。
●子どもから給食のメニューを聞いて家庭でも作るように心がけた。
●子どもに必要な栄養はどの食品で摂るべきか意識するようになった。
などなど。

どれも些細なことにみえますが、子ども達とその家庭で、食べ物に対する姿勢が少しずつ変わってきたことがわかります。

最後に、子どもを通して、大人の意識を改革していくTCPアプローチについて。
≪TCPアプローチについて≫
1.まずLOOBと学校のTeacher(先生)達が協力して
2.Children(子ども達)への給食や、大人向け食育セミナーを行い、
3.子どもが家に帰ってから、Parents(両親)や兄弟に食育を広めて、さらには地域全体の食生活を改善していくことを狙っています。

食の教育というものは効果が表れるのにかなりの時間がかかると思いますが、頭の柔らかな子ども達に食に対する正しい知識を意識的に植え付けていくことで、その兄弟姉妹へ、親へ、隣近所の家庭へ、さらには地域全体に影響を与えていけるものだと思っています。
ちょっと話が壮大ですが、食育というのは毎日の積み重ねで、その広がりは幹から枝が伸びて、葉っぱが育っていくようなものであり、その分、「幹」となる実施者は責任が大きいものだと実感しています。

先週、味の素フィリピンからフィリピン人スタッフお三方が訪問され、LOOBの調理場や学校給食の様子を見てもらい、菜園や食堂の進展についても説明させてもらいました。
こうして、客観的に事業を評価すると、やっと半年たって軌道に乗ってきたかな、という感じがしています。
これからもできるだけ報告していきますので、皆さん応援宜しくお願いします!

長い文章を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。(byゆきえ)
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by loobinc | 2010-11-21 18:57 | 食育プロジェクト
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