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【スモーキーマウンテンとは?】
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ところで、スモーキーマウンテンというところについて少し解説したいと思います。
たまに「市民が勝手にごみを投棄した場所」と思っている方がいるようですが、そうではありません。

ごみ山は現地ではBasulahan(ごみ箱、ごみを溜める場所という意味)と呼ばれ、フィリピンでは長らくオープンダンピング、つまり積み上げるだけの投棄方法だったため、大量のハエ、強烈な悪臭、汚水の流出、足元には危険廃棄物、ガス等による火災や発煙、そして炎天下という何重苦?以上の環境となってました。発煙が発生しているときはごみ山はまるで火山のようにプスプスと白い煙が立ち込め、これがスモーキーマウンテンと呼ばれる所以になっています。

フィリピンにごみ山はいくつあるか?

フィリピンには基本的には81の州があり、144の市と1,490 の町があります(最下の行政単位バランガイでは41,995あります)。マニラ、セブ、ダバオ、イロイロ、カガヤンデオロなど、人口20万人以上の高度都市(highly-urbanized City)に指定された市は35もあります。

ドイツ技術協力会社(GTZ)のレポートによると、フィリピンのごみ処理施設は、衛生埋立処分場(Sanitary Landfill)が45あり、69が建設中です。昔ながらのオープンダンピング(Open Dumps)または埋立 (Controlled Dumps)方式は、946もあります。つまりフィリピンのごみ山は1,000箇所にあるといえるようです。

どのような収集システムかというと、イロイロ市では、日本と同じように一般廃棄物(市民から出される一般ごみ)の収集サービスがあります。日本とほぼ同じで、ごみ収集トラックが地域に設置されたごみステーションを回り、これをカラフナンに投棄または埋立します。

上記の通り、多くのごみ処理施設が、衛生埋立方式ではなく、非衛生なのですから、働き場所として適切な環境では全くありません。ただこんな環境でも日々の生活のため、資源ごみを拾い、ジャンクショップ(リサイクル業者)に売って生計を立てています。きれいにいえば「資源ごみの回収を行っているリサイクル業」として一つの立派な産業を形成しているともいえます。

イロイロ市のごみ投棄場は2014年現在も発煙により、消防車が出動することもある↓
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2014年訪問時、子どもが銅線を取り出すためごみを焼いていた。これが発煙の原因になることも多々↓
(写真2014年5月@LOOB撮影)
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【イロイロ市カラフナンごみ投機場の現状】

次にイロイロ市カラフナンごみ投棄場に絞って現状をまとめます。この7年の間、私たちLOOBは、日本とフィリピンのスタッフ&ボランティア達が毎週ごみ山に通い続け、お母さんや若者、子ども達と地道に関係を築き上げてきました。その過程で、イロイロ市の廃棄物管理システムや、地域住民の生活状況に及ぶまで、多くの変化を目にすることができました。

【名称】イロイロ市カラフナンごみ投棄場。
【年数】1989年イロイロ市が開設。もともとは湿地帯で、近隣の小作農がウェストピッカーになっていった。
【面積】26ヘクタールで東京ドーム5.6倍の大きさ。(ケソン市パヤタスの集積場は22ヘクタール)総面積のうち、3分の1はまだ緑の空き地であり、向こう5~10年は利用可能といわれる。
【投棄量】2010年時点の1日当たりの投棄量は180~300トン、蓄積量は約30万立方メートル。
【回収範囲】イロイロ市(人口42万人)全域と隣のオトン町およびパビヤ町。ごみ収集業務を委託された民間のJ.S.Laysonという会社が回収している。それ以外のごみ収集サービスが地域では、自分達の家の周りに捨てるか、燃やすか埋めるかしている。 大きなショッピングモールや病院などでは独自に処理することもある。
【水質汚染】イロイロ市投棄場は1986年から約20数年以上にわたって、汚水処理機能もない状態で、すぐ近くにある7.8キロのカラフナン川に汚水が垂れ流し状態にしてきたため、河川汚染を引き起こしていた。しかし、カラフナン川の水は近くの水田に灌漑用水として引かれており、河川浄化が急務となっている。
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【環境への改善点1: 衛生埋立場】共和国法9003号に準じて、これまでのごみ投棄場の中に、2つの汚水処理エリアが建設された。これは、ごみ山から出た汚水を中和・浄化して放水するもの↓
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【環境への改善点2: 河川整備工事】
2014年現在、全長7.8キロのカラフナン川底にたまった有害な汚泥物を取り除くため、大規模な河川整備工事が行われて入る。ごみ山の頂上から見た景色。
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【環境への改善点3: 市民による分別回収】2009年にイロイロ市条例により市民レベルでの家庭ごみの分別(土に還えるもの、土に還らないもの、資源ごみの3種類)が義務づけられたが、現状は市民に分別回収が普及しておらず、つまり、この投棄場に資源ごみがまだ集積されている状態であるため、ウェストピッカーの仕事が成り立っている。
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【労働環境への改善点1 MRFの稼動】 
Material Recovery Facility (MRF)と呼ばれるベルトコンベイヤー(2機)での作業が定着し、シフト制で約60人が分別作業にあたっている。屋根があり、炎天下や雨の中で動きまわらなくていいので、体力の消耗は減ったようだ。衛生面は良くはないものの、ごみ山に登るよりはマシという感じである。市からの給与はなく、資源ごみの換金で生計を立てるという点ではこれまでと同じである。
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【労働環境の改善点2: 立ち入りの規制】 
夜間8時以降の立入禁止。15歳以上の児童の立入禁止(ただし実際は黙認されている)。家畜(牛・ヤギ・羊)の放牧禁止。
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【新しい生計手段の確立】 UCLAの裁縫部門が製作するジュースパック製品、また紙ビーズ部門が製作するペーパービーズ製品は、LOOBが月約4万ペソの購買契約を結んだことにより、安定的な収入を生み出している。
ローカル新聞の記事はこちら

その他、生ゴミからの堆肥(Fertilizer)を製造して園芸屋さんに売る計画もあったが、有毒物質を含むため商業化できずにいる。また東京大学とCPUの研究の一貫として古紙炭(Paper Charcoal)を新たな生計手段とするアイデアもあったが、商品開発だけが進み、商業化には至ってない。古紙炭はラーニングセンターの一角に眠っている状態である。

【最新ニュース: NNAフィリピンから】
イロイロ市は、韓国企業ドリームENGと合弁でプラスチックごみなどを燃料とする発電所を建設することで合意した。出力は6,000 キロワットで、2015年の商業稼働を見込んでいる。

発電所は、市内のカラフナンごみ処理場内の1ヘクタールの敷地に建設。イロイロ市とドリームENGは20 年間の合弁契約を結んでおり、それぞれ15%、85%の権益を保有。発電所稼働後、市は毎月約2万米ドル(約205 万円)の収入を確保できるという。発電した電力は、配電業者パナイ・エレクトリックに販売する方向で交渉中。ドリームENGは、1キロワット時(kWh)当たり7.5 ペソ(約17 円)で売電する考えを示している。
燃料には、プラスチックごみを中心とする廃棄物を使用する。

同社は、瓶や鉄材などリサイクル可能なごみは必要としないと説明。発電所の稼働により、リサイクルごみの収集で生計を立てている市民に影響が及ぶことはないと強調した。


以上の情報は主に、LOOBがお世話になっているUCLA副代表の姉御、Loreliさん、またGSO職員との会話でメモを取ったものです。100%の正確性は保証しておりませんので、知りたい方はご自分で調査を!(笑)。


最後に、1枚の写真。先日猛暑の中、ごみ拾いに来ていた家族です。夏休み中だったので、たくさんの子ども達がいました。この家族の表情は心からの笑顔だと思いませんか?
あなたはこの写真から、何を感じますか?
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by loobinc | 2014-06-03 15:10 | スモーキーマウンテン
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